この記事では京都錦市場にあるうなぎのお店を写真つきでご紹介します。
お腹が空いている時に食事処の近くを通ると、ふと美味しそうな匂いが漂って来て、それに釣られて入店してしまったという経験は皆さんはありませんか?
焼きたてのパンの香りやスパイシーなカレーの匂いなど、空腹の時に嗅ぐ魅惑的な香りは理性を消し去るほどの誘惑をしてきます。
そういった洋食や中華には匂いだけで人を誘惑してくる料理が多くありますが、和食の中には何があるだろう?と考えてみると、ぱっと頭に思い浮かぶのは「うなぎ」です。
今日は、その日本人の心を掴んで離さない匂いと味がする「鰻」を取り扱う、京都の錦市場にあるお店をご紹介しますね。
錦市場にある鰻を扱う3つの有名店
今でこそ食べ歩きのメッカとして全国的にも知られている京都の錦市場ですが、元は京都の食を支える台所としての役割が強い場所でした。
時代が進み、京都が観光名所として名を馳せ、訪れる人々が京都の食にも興味を示すようになった結果、錦市場もそれに合わせて変化していき、現在の食に関する観光名所へと変貌を遂げたのです。
その錦市場で昔から川魚を専門的に取り扱っていたのが「のとよ」と「大國屋(おおくにや)」と「山元馬場商店(やまもとばんば)」の三店舗でした。
今の錦市場には道行く人々を引き寄せる匂いを放つお店が多く有りますが、この三店舗からは日本人を特に吸い寄せる「うなぎ」を焼く美味しそうな匂いが漂ってきます。
錦市場でうなぎが食べれるお店
のとよの鰻が直ぐに食べられる「味彩 のと与」
川魚と鰻がずらっと並ぶ「のとよ」のお店の2階には、落ち着きのある雰囲気でじっくりと鰻を堪能できるお食事処「味彩 のと与」があります。
用意されているメニューは鰻が主役の物がメインで、その他にも川で取れる魚などのサイドメニューもありますし、「鰻重」はもちろん「肝焼き」から「骨煎餅」に「うざく」や「八幡巻」など、うなぎ料理に関しては何でもござれといった品揃えです。
味彩のと与ではタレを使って焼いた鰻も美味しいのですが「うなぎの白焼き」の方も評判が高く、予算が許すのであれば両方とも食してみるのも良いでしょう。
こだわりの鰻職人の味「大國屋鰻兵衛」
錦市場の西側の通りを少し北に向かった所にある「大國屋鰻兵衛(おおくにやまんべい)」は、錦市場にある「大國屋」の元店主が開いたお食事処です。
大國屋鰻兵衛は2018年の1月にオープンしたのですが、開店した経緯が少し変わっていて。
大國屋を営んでいた店主の山岡國男さん自身が70歳になってから、大國屋の方を息子に任せて独立し作り上げたというお店です。
弟子の方や親族の人が独立して暖簾分けするという話はよく聞きますが、お店の主人が独立したという話を聞いた時は「いやはや、元気な人だなぁ」と感じました。
國男さんは、70にもなるというのに精力的に店を切り盛りしており、様々な取材に答えるだけでなくツイッターなどのでも情報発信をしておられます。
その大國屋鰻兵衛では、大國屋で長年うなぎを焼いてきた、まさしく職人芸とも言える鰻のかば焼きを、山岡國男さん自身が「一番おいしい」と考案した食べ方で出してくれます。
注文が入ってから鰻を焼いて特注の土鍋でご飯を炊きますので、注文した品が出てくるまで時間は掛かりますが、その極上の味には待つだけの価値があります。
錦市場のうなぎを持ち帰りで食べよう!
「川魚 のとよ」
味彩のと与の1階にある「川魚 のとよ」では、店頭に名物の鰻と川魚の鮮魚がずらりと並んでいます。
名物の鰻は、創業から続くタレを塗り、備長炭を使ってじっくりと焼き上げられた物が人目を惹く匂いと見た目と共に並べられています。
かば焼きをこちらで買って持ち帰って家で食べるのも良いですが、お土産にも最適な「うなぎ鍋セット」「川の幸セット」「お茶漬け鰻」などの鰻を使った商品もありますので、それらを買ってから食べ歩き用の「うなぎの肝串」をかじりながら帰るのも楽しそうです。
また珍しいスズメの串もありますので、記念に食べてみてもいいかもしれません。
山元馬場商店
こちらの「山元馬場商店(やまもとばんば)」は、主に琵琶湖から仕入れている魚を扱っている川魚の専門店です。
山元馬場商店の名物の一つに「うなぎ巻き」という出汁巻き卵で鰻を包んだ物が有り、ふっくらとした出汁巻き卵が旨味の詰まった鰻の蒲焼を優しく包んでいて、夕食に加える一品を探す人や食べ歩き目的で来ている人に大人気です。
値段も手軽に買えるリーズナブルな物から、ちょっと食卓を豪華に飾る物まで、値段の幅が大きいのも嬉しい点です。
錦市場のうなぎ茶漬けは美味!
うなぎ茶漬けはひつまぶしと一緒に全国的に広まりましたが、錦市場の美味しいうなぎ茶漬けとしてTVなどで紹介されて、一躍有名になったのが大國屋の「ぶぶうなぎ」です。
大國屋の銘品「ぶぶうなぎ」
元々「ぶぶうなぎ」は大國屋のまかない料理として食べられていたそうなのですが、それがすごく美味しい出来だったので「この味を皆にも食べてもらいたい」という考えから商品化されました。
何と言いますか、今は大國屋鰻兵衛をやっている先代の山岡國男さんらしい発想の品と言えます。
お茶漬け専用の鰻
「ぶぶうなぎ」はお茶漬け専用の鰻として作られていて、鰻の白焼きを山椒の実を利かせた秘伝のタレで煮込み、味を濃くしてタレを鰻の身の中まで浸透させる事で、お茶漬けにした時に丁度良い味になる鰻です。
ただの鰻の蒲焼よりも日持ちが良く、お土産や贈り物にするのにも最適で、その美味しさも話題を呼んで様々なメディアで取り上げられるようになりました。
錦市場に行くのであれば、この「ぶぶうなぎ」はお勧めの逸品で、考案者の國男さんが自ら作るぶぶうなぎを食べたい方は大國屋鰻兵衛に行き、持ち帰って食べたいという人は大國屋で買い求めると良いでしょう。
京都・錦市場以外でうなぎが食べれる人気店
肉厚の大きな炭焼き鰻が食べられる「土井活鰻」
2018年の中頃、新しく伏見稲荷駅近くにできた鰻の炭火焼屋が「土井活鰻(どいかつまん)」です。
土井活鰻はオープンと同時に、店で出される鰻の大きさや肉厚な身が話題を呼び、口コミなどで高い評価を得ました。
ガッツリと鰻を食べたい!という人にオススメのお店です。
鰻の本場、江戸川で修業を積んだ味「京都にしき江戸川」
錦市場から阪急京都本線を挟んで反対側にある、創業100年を超える鰻屋さんが「京都にしき江戸川」です。
なぜ京都で江戸川?と思うかもしれませんが、初代の店主が鰻の蒲焼の本場である江戸川の方で料理修行をしたらしく、その味を京都へと伝えた事から江戸川と名付けたそうです。
昔ながらの本場の味を受け継いだ鰻をお求めなら「京都にしき江戸川」へと足を運びましょう。