玉露と言う名称のお茶が有る事は知っていても、その玉露がどんなお茶なのか分からないという方も多くいます。
日本茶の中でも最高級品とも言える玉露は、その原材料となる茶葉の育成から生産に至るまで、他のお茶に比べ手間暇がかかる為、なかなか飲む事は叶わないお茶の一つです。
そんな玉露と他の緑茶との違いや、どんな効能があるのかをご説明して行きましょう。
緑茶と玉露は違う物?
分類するのであれば玉露も緑茶の一つです。
緑茶は、茶葉を収穫した後、発酵を防ぐために加熱処理した物を指しますが、一言に「緑茶」と言っても、実はかなりの種類が有ります。
日本茶と称される緑茶でも15種以上、中国など外国の物も加えるとかなりの数に上ります。
しかし、それらの緑茶の種類を分けている要因の殆どは、基本的に茶樹の葉の使用する部位や収穫した後の加工の仕方により区別されるのですが、玉露の場合は茶葉の収穫の前段階である茶樹の栽培方法からして異なります。
玉露に使われる茶樹は、新芽が出始めた頃に寒冷紗と言われる荒く織り込まれた布や藁などを使い、二十日前後の間、日の光が葉に当たらない様にされます。
こうする事で光合成を阻害し、お茶の渋み成分となるカテキンの量が減り、玉露の濃厚な味わいを生み出すテアニンが豊富に残る事になるのです。
こうした栽培方法の違いや出来上がった茶葉の味から、玉露はお茶の品評会などでは緑茶とは別のカテゴリーで扱われる事が多くあります。
玉露の効能は?
先程の栽培方法の違いの説明で出て来た「テアニン」ですが、これは1950年に玉露から初めて発見された物質でした。
自然界でテアニンを生成できる植物は茶樹と一部のキノコだけであり、希少な物質だったのです。
このテアニンは茶樹の根の部分で生まれ、幹を通り茶の葉へと移動し、そこで日の光を受けてカテキンへと変化する物質です。
本来であれば、普通に栽培された茶葉に含まれるテアニンはカテキンに変化してしまっているのですが、玉露の特殊な栽培法のおかげでテアニンが玉露の茶葉には多く残っているのです。
このテアニンには様々な効果があり、リラックス効果を高め、ストレスを軽減し、認知機能の改善や睡眠の質を良くする事だけでなく、風邪などの病気に対しての免疫機能が5倍にまで引き上げられるそうです。
玉露のもう一つの特徴として上げられるのが、カフェインの含有量が多いという事もあります。
実は玉露のカフェインの量はコーヒーの2倍以上、他のお茶から比べると3倍近い量のカフェインが含まれています。
適量なら問題の無いカフェインですが、ここまで多いと不安になる量です。
ですが御安心ください。茶葉には「タンニン」という成分も含まれており、このタンニンはカフェインとくっついてカフェインの働きを弱くするのです。
ですので玉露を他のお茶と変らない分量を飲んでも、さほど問題にはなりません。
その他にも玉露には、他の茶葉よりも多くの栄養が含まれています。
先に述べたテアニンなどのアミノ酸類や、豊富に含まれるビタミンCやビタミンE。
それらの栄養素は体に必須なのは勿論、美肌効果やアンチエイジングに効果的です。
玉露の美味しい飲み方は?
玉露は、その淹れ方にも特徴があります。
一般的な緑茶の淹れ方は70~80度の熱めのお湯で淹れることが殆どですが、玉露の場合は、40~60度のかなり低めのお湯で長めに抽出時間をかけて淹れます。
そうする事で、玉露の持つ甘みを引き出し、高温のお湯で淹れると出てしまう苦みや渋みを抑える事が出来るのです。
茶会などでは、最初に低温のお湯で淹れた玉露を楽しみ、次に一回目に使った茶葉に熱い湯を注いで淹れた「二煎出し」と言われる方法で飲むのだそうです。
ご家庭で飲む際には、ぜひ試して玉露の持つ豊かな味と香りの両方を堪能してみてください。
ちなみに京都にある祇園北川半兵衛では
美味しい玉露が飲めます。
ここは抹茶問屋北川半兵衛の和カフェで、玉露や和烏龍、和紅茶などが飲めますよー!
祇園北川半兵衛
OPEN 11:00~22:00 / 不定休(18:00~は夜カフェ営業)
TEL:075-205-0880
京都府京都市東山区祇園町南側570-188
京阪電車「祇園四条駅」から徒歩約6分 / 祇園四条駅から426m
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