PTAを廃止した学校ってあるの?

PTAを廃止した学校




子供を学校に通わせていると、その保護者も学校の活動に参加しなければならない事が有ります。
その代表とも言えるのが、親(ペアレント)と教師(ティーチャー)の協会(アソシエイション)の略称「PTA」の活動です。
教育環境と生徒達のための共助組織のPTAですが、数年前から、そのPTAを廃止し始める学校が出てきました。

今日は、そのPTAを廃止した学校のお話と、それで起きた変化をお話していきましょう。




PTAを廃止した学校

PTAを廃止した学校

2008年ごろに東京の中学校がPTAを廃止した事がニュースになり、PTAの在り方を考える保護者が増え、それを切っ掛けにPTAを廃止する他の学校も出始めました。
今では1県に数校の割合で、PTAの無い学校がある様です。

なぜPTAを廃止したの?

一言でいえば「負担」を減らしたかったという理由です。

PTAには、いくつもの負担が存在します。

・PTA役員を決めなければならないストレス
・PTA活動での時間的な負担
・年間数千円のPTA活動費
・役員や保護者間でのトラブル

これらの事を負担に感じる保護者は多く、近年の共働きの家庭が増えた現状も有り、PTAの活動に参加できない人も増えてきました。

一部のアンケート結果によると、PTAを廃止したいと考える保護者は6割近くにも達するようで、そういった意見も受けて、いくつかの学校はPTAの廃止を決めた様です。




PTA廃止のメリットとデメリット

PTAを廃止した学校

PTAを実際に廃止した学校の状況を調べますと、色々なメリットとデメリットが見えてきました。

PTAを配した事でのメリット

・過剰な会費や費用が減った
・役員や保護者としての活動時間が減った
・保護者間でのトラブルが一部軽減した
この3点が挙げられます。

PTAを廃止した事で発生したデメリット

・行政へ意見を通すのが難しくなった
・学校や教師との繋がりが弱くなった
・PTAとして行っていた必要な事を別途用意する事になった

と、これらの問題が浮上しました。

PTAを廃止したけど……

先に書いたPTAを廃止するに至った問題点と、廃止した事で起きたメリットとデメリットを見比べて「あれ?」と感じた方が居るかもしれません。
それもそのはず、PTAを廃止しても完全な問題解決に至った所は稀だったようです。

もともとPTA自体が学校と子供達の手助けを行う活動団体でしたので、大半は行っていた活動の全てを無くす事は困難で、PTAが行っていた活動を縮小した「保護者の会」などが結成され、場所によっては「PTA代行サービス」といった物まで生まれました。

デメリットとの一つの「行政へ意見を通すのが難しくなった」に関しては、PTAの上部組織である日本PTA全国協議会などへの繋がりが無くなったため、自治体や行政への意見陳情が難しくなりました。

登下校時の見守り活動などの無くせない活動を行う為、保護者会を立ち上げたのは良いのですが、ある程度の費用と時間は軽減されても、取りまとめる役員の様な人の選出は必要なままであり、それらを巡ってのトラブルも消えていません。

とはいえ、ネガティブな部分だけでなく、ポジティブなメリットの部分も見逃せません。
今まで掛かってた年間数千円の費用が、十分の一程度まで軽減されたという話も聞きますし、元から学校自体の質が良かったため、保護者としての活動が登下校時の見守りだけで済む様になった所も有ります。ですので、一定の問題解決には繋がった様です。




PTAを存続したまま問題を軽減した学校も

PTAを廃止した学校

PTAを取り巻く諸問題を、PTAを廃止せずに軽減した学校もあります。
それは、PTAのスリム化と最適化を行った学校です。

内容としては、スリム化の一環として「役員の数を出来るだけ減らし」「必要のない会報の作成や活動を無くす」といった削減を行いました。
最適化の方法としては「会議や連絡などはIT技術を導入し」「教育環境の維持に本当に必要な活動だけを行う」といった事をPTAで決めて行った様です。

スリム化の効果で、費用と時間と労力の削減に成功した様で、その効果はPTAを廃止した所のメリットとの差は同程度に見受けられました。

最適化で行われたIT技術の導入は、難しく聞こえるかもしれませんが、内容的にはスマホやパソコンを使ってLINEやチャットなどのグループ会議で行うようにし、役員以外の保護者への通知も、それらのアプリを通して行う様にしただけの簡単な物です。

時間と場所に囚われずに相談と連絡できる手段は、利便性だけでなく、何処かに実際に集まり会議を開くといった余計なコミュニケーションが無くなった事で、保護者や役員間でのトラブルも減ったという報告も有ります。

まとめ

PTAを廃止した学校と問題を別方向から解決した所の話をしましたが、この事からも問題を解決する手段は一つではないという事が分かります。

運が良いのか悪いのかは分かりませんが、もしPTAの役員などになった場合は、その活動が保護者の負担になっていないかを議題として提案してみましょう。

人と人との話し合いには「三人寄れば文殊の知恵」や「船頭多くして船山に登る」と言ったことわざが付き物ですが、既に問題解決に動いた学校を参考にすれば、より良い結果を生み出せるかもしれません。